2020年10月15日

源泉所得税の納付を忘れていたら・・・

今年、会社を設立した方からのご相談です。

どうも、源泉所得税が納付されていないようです。

役員報酬や従業員給料は、所得税を差し引いてから支払うのですが、

その方は、額面のまま支払ってしまったようです。

源泉徴収のことは知っていたのですが、

計算の仕方が分からなかったということでした。

計算の仕方が分からないというのも、もっともなことだと思いますが、

「知らなかった」では済まされないのが税務署なので・・・。


額面給料から源泉所得税を控除して支払うのですが、

控除した所得税は、翌月の10日までに税務署に納付することになります。

(毎月、毎月納付するのは面倒なので、税務署に届出をすれば、

半年分をまとめて支払うことができます)

控除すべきであった源泉所得税は、ご本人から会社に返金してもらいますが、

源泉所得税を納付していなかったことについては、

ペナルティが2つあります。


ひとつは、不納付加算税です。

今回は、会社が納付していないことに気が付いて、

自発的に納付するので、源泉所得税の5%になります。

しかし、税務署から指摘を受けてから納付した場合には、

2倍の10%になります。

不納付加算税は、遅れた日数に関係なく一律にかかるのが特徴です。


2つ目は、延滞税です。

@法定納期限の翌日から2ヶ月以内は

 納付すべき金額☓2.6%☓延滞日数/365  です。


A法定納期限の翌日から2ヶ月経過以降は

 納付すべき金額☓8.9%☓2ヶ月経過以降の延滞日数/365 になります。


B延滞税の額=上記@+A(100円未満切捨て)


💛でも、まだあきらめなくても大丈夫!


♦ 次のどちらかに当てはまれば、不納付加算税は免除されます。

@不納付加算税の金額が5000円未満の場合

 ⇒ということは、・・・

  本税が99,999円であれば、不納付加算税はかかりません。

A納付期限の翌日から1か月以内に納付した場合で、かつ、直前1年以内に延滞したことがない場合


♦ 次のどちらかの場合には、延滞税がかかりません。

@ 納付すべき源泉所得税が10,000円未満であれば、延滞税はかかりません。
  
  (計算の基礎となる本税が10,000円未満切捨てのため)

A 計算した延滞税の金額が1,000円未満の場合には、全額切捨てになります。

会社を設立したばかりであれば、

給料の総額もまだそれほど多くはないと思いますから、

上記の加算税が免除になる場合も少なくありません。

傷を広げないためにも、

気が付いたら、出来るだけ早く納付するようにしましょう。  


posted by 小出 絹恵 at 18:27 | Comment(0) | 法人・個人事業者さんへ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集
●執筆時の税法を基に記載しております。実際の実施にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。
この記事を書いた税理士の小出絹恵です。
税理士 小出絹恵税理士・行政書士・円満相続遺言支援士  小出 絹恵

TEL:03−5486−9686

幼い頃、往診に来て下さったお医者さま
女医さんでした)の顔を見ただけで、
安心して病気が治ったような
そんな体験が懐かしく思い出されます。
私は皆様のそういう主治医になれたらと願っています。