2008年06月06日

2ヶ所から給料をもらう場合の確定申告は?

コンピュータを使って、ご自宅でお仕事をされている方から
ご相談を受けました。

(Q1)
私は最近仕事を始めたのですが、
外での仕事と今までの○○社からの収入について、
どのように税金をおさめたらいいのかがわかりません。

新しく始めた仕事は派遣の仕事なのですが、
12月には年末調整があると思います。

できれば○○社のことは派遣会社には伝えたくないのですが
その場合は○○社からの報酬分だけ
確定申告すればよいのでしょうか?

○○社からの報酬は年間(1月1日〜12月31日)
いくらを超えた場合に申請すればいいのでしょうか。
教えてください。


(A1)
結論から申し上げますと、
派遣会社から支払をうける給料と徴収票と、
○○社から支払を受ける給料との両方について、
合算して確定申告をすることになります。

2社から給料の支払いを受ける場合には、
主たる給料の支払者(今回は派遣会社)に対して、
「扶養控除等申告書」を提出し、
甲欄での源泉徴収となります。
 
従たる給料の支払者(○○社)に対しては
「扶養控除等申告書」は提出できませんので、
乙欄での源泉徴収となります。
 
同時期に2ヶ所以上から給料の支払いを受ける場合には、
いずれか1ヶ所にしか「扶養控除等申告書」を提出することは
できないことになっています。
 
派遣会社には○○社との仕事のことは話したくない
ということですので、
派遣会社に対して「扶養控除等申告書」を提出され
年末調整をして貰えば良いと思います。

通常は年末調整をすれば確定申告の必要はないのですが、
あなたの場合には、○○社から支払を受けた給料が
年間で20万円を超える場合には、
確定申告をしなければなりません。


確定申告は、
派遣会社の源泉徴収票と○○社の源泉徴収票とを
合算して行います。

 
(Q2)
たぶん本当は少しでも収入が発生したら確定申告するべきだと思うのですが
(税金かからなかったとしても)、実際税金がかかるのは年収が100万とか、
120万を超えてからだと記憶しています。

私は○○社からの報酬は年間100万超えませんが、派遣の仕事とあわせると
超えます。

○○社からの報酬は申告しなくてすむなら正直申告しなくないと思っています・・・
いけないことだとは思うのですが、年収100万(?)を超えるまでは
申告しなくてもいいのかどうか疑問に思っていて、そのあたりを詳しくお聞きしたいです。

(A2)
給与所得者で確定申告が必要になる人は、
1.1年間の給料が1,000万円を超える人
2.1ヶ所から給料の支払いを受けている人の場合には、
  給料以外に合計して20万円を超える所得がある人
3.2ヶ所以上から給料の支払いを受けている人で、
  主たる給料の支払い以外に他の給料とその他の所得が
  合計して20万円を超える人
です。

あなたが給与所得だけで、
そのすべてにおいて源泉徴収されているのであれば、

給料の合計額から社会保険料控除額、生命保険料控除額、
地震保険料控除額、障害者控除額、寡婦控除額、勤労学生控除額、
配偶者控除額、配偶者特別控除額、扶養控除額の合計額を引いた
残りの金額が150万円以下で、給与所得と退職所得以外の所得
の金額が20万円以下であれば、確定申告は必要ありません。

(おおざっぱに言えば、両方の給料から源泉徴収がされていて、
合計して150万円以下であれば、確定申告をしなくてもOK
ということです。)

よく、103万円という数字を聞いたことがあると思います。
これは、
給料収入103万円ー給与所得控除65万円ー基礎控除38万円=0
なので、税金がかからないということなのです。

給料がこの金額以下であれば本人に所得税はかからず、
本人は配偶者控除や扶養控除の対象となります。

もし、○○社からの支払が給料ではなく、
請負になっているのであれば、
支払われた金額から必要経費を差し引いた金額が
年間20万円を超えた場合には確定申告を必要とします。

ところで、派遣会社の年末調整の件ですが、
年の中途での採用ですので、
年間の税金の精算をした年末調整ではなく、
源泉徴収した金額を記載しただけの源泉徴収票
となる場合もあります。
その場合には、確定申告することによって、
税金が還付になる場合もあります。

posted by 小出 絹恵 at 18:57 | 確定申告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集
●執筆時の税法を基に記載しております。実際の実施にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。
この記事を書いた税理士の小出絹恵です。
税理士 小出絹恵税理士・行政書士・円満相続遺言支援士  小出 絹恵

TEL:03−5486−9686

幼い頃、往診に来て下さったお医者さま
女医さんでした)の顔を見ただけで、
安心して病気が治ったような
そんな体験が懐かしく思い出されます。
私は皆様のそういう主治医になれたらと願っています。