2016年02月25日

失敗しない相続対策

失敗しない相続対策
     税理士・行政書士 小 出 絹 恵

 “流行り”には注意!
 
 相続対策はいろいろあります。つい最近まで大流行だったのが、タワーマンション節税です。これについては、ついに税務当局から規制がかかることになりました。相続税の計算の基礎となる評価額を、早ければ2018年1月から変更するというのです。もし、これが実施されることになると、高層階の評価額が引き上げられ、結果として相続税だけではなく、毎年の固定資産税も上がることになりそうです。
 相続税の計算の基礎となる評価額と、実際の売買価額とでは、平均3倍の開きがあるとの指摘もなされるタワーマンションですが、評価額の引上げによって、想定したメリットを享受できなくなり、ブームになっていたタワーマンション節税も沈静化しそうです。  
 ところで、実際に、これを実行して節税できた相続人はいったい何人いたのでしょうか。まだ、買っただけで、相続は起きていないという人たちが大半なのではないかと想像します。仮にそのとおりだとしたら、何のためのタワーマンション購入だったのでしょうか。
 
 このように、節税目的だけの行動は、リスク管理が甘くなりがちです。東日本大震災の後に、臨海部の高層マンションの価額が大幅に下がり、売るに売れないような状況になったことがありましたが、それは、わずか5年前のことです。
 
 バブルのときにも
 
 バブルのときにも、相続対策の失敗例を多く耳にしました。不動産価額の高騰で、相続対策が大流行でした。新宿の靖国通りに面したビルの前の路線価が、1年で2倍、その翌年もまたその2倍、3年目もまた前年の2倍、何と3年間で2×2×2で8倍になりました。そういう時代があったのです。
 
 金利にも注意
 バブルのときには金利も高騰
 
 毎月きちんと返済しているのに、なぜか借金が増えていきました。
 “毎月返済しているのに、返済後の借入金の残高がどんどん増えていく返済予定表”というのをご覧になったことがありますか。
 金利が上昇したために、返済額を全て金利に当てたとしても、それでもまだ金利の支払いが不足して、未払いの金利(未払利息)が積みあがっていくという恐ろしい現象が起きたのです。
 バブル崩壊後、金利はどんどんと下がり、現在は超低金利の水準が長く続いています。日本経済は金利を上げられるような状況にはないと思いますが、将来は分かりません。住宅ローンやアパートローンは35年の長期ローンも珍しくありません。それだけ長期にわたって借入れをするということは、いつまた金利が反転して上昇に転じるか分からないリスクを背負うということでもあります。
 だから、借入金で相続対策を考えるときには、固定金利で計算して、採算を検討してみてください。空室率も厳しめに(例えば20%)計算しても採算が合うかどうか検討してみてください。
 最も重要なのが立地です。駅至近の物件ならば、空室率はもっと低くても大丈夫だと思います。しかし、バス便のところは、普通の賃貸物件では厳しい条件になると思います。

 具体的に考える
 遺産分割と相続税の関係
 
【事例】 
相続財産と相続人は以下のとおりです。
○自宅 評価額1億円
○現預金2,000万円
○相続人3人(配偶者と長男、次男)
○二男が父母と同居。長男は狛江にマイホームを建てて居住。
相続税は、相続の仕方(相続財産の分け方)で、相続税額が変わります。

@配偶者が全て相続すれば
【事例】では、相続税はかかりません。
 小規模宅地等の評価減により、自宅の土地の評価が80%下がり、その上、配偶者の税額軽減の制度もありますから、配偶者が相続した場合には、相続税がかからないケースがほとんどです。 
 この点については、皆様、よくご存じでいらっしゃいます。だから、
「今回、母が全部を相続してしまうと、次の相続税が心配です。次の相続のことも考え合わせて、相続税の負担が軽くなるように分けたいのですが」とのご意向を伺うことが多く、その場合には、二次相続の試算もした上で、相続人の皆様が、今回の遺産分割を考えることができるようにお手伝いさせていただいています。

Aでも二次相続が心配です
 上記@で相続した財産がそのまま残っていたとして考えてみます。
 相続税額を大きく左右するポイントは、小規模宅地等の特例が使えるか否かにかかっています。
○小規模宅地等の特例が使える場合
  ⇒相続税額    0円
○小規模宅地等の特例が使えない場合
  ⇒相続税額 1,160万円

 上記の違いは、小規模宅地等の特例を使ったか、使わなかったかの違いです。小規模宅地等の特例が使えれば、1億円の自宅敷地の評価額が2,000万円に下がります。結果として相続税額が1,160万円も違ってしまうのです。

Bだから一次相続の遺産分割が大切です
一次相続(父親の相続)のときに、二次相続(母親の相続)のことも考えて、子が土地を相続するようにしておけばよいのではないかとのお考えもあるかと思います。
 確かに、その子が、介護も含めて母親の面倒を見てくれるというのであれば、その子に相続させるという選択肢はおおいにあると思います。ただし、その場合であっても、全部をその子に相続させるというのは賛成できません。何故かと言いますと、将来は分からないからです。年齢の順に相続が起きるとは限りません。
 もしも、お母様よりも先に息子さんに相続が発生したりしたら、息子さんの財産はお嫁さんとその子(お母様から見たらお孫さん)が相続することになります。お孫さんがいない場合には、ゆくゆくはお嫁さんの兄弟姉妹が相続することになります。このことをご心配されるご親族の方々が多いのも頷けることではあります。特に、代々受け継がれてきた財産であれば尚更です。
 では、どうしたらよいのでしょうか。
 例えば、お母様1/2と同居のお子さんが1/2の共有で相続するというのも一考です。
共有割合は二次相続の試算等を考慮して決めてもよいと思います。
 ふつうは共有相続は避けた方が良いのですが、母親と子の共有はその例外で、お母様の今後の生活の安心のために必要な方法の一つと考えていただくとよいと思います。
  
C「同居の親族が相続する」が原則です
 同居の親族(二男)がいるので、母親の相続に当たっては、二男が相続する場合だけ、小規模宅地等の特例を使うことができます。ですから、
@二男が自宅不動産を相続し、現預金は長男が相続した場合⇒相続税0円
A長男と二男で全部1/2ずつ相続した場合
 ⇒相続税 二人で470万円

 Aの場合、1/2ずつ相続する場合であっても、遺産分割の仕方を工夫することで、相続税がかからないようにすることも可能です。
 相続人の皆様で話し合いができる円満相続が、一番の相続税対策だと思います。



posted by 小出 絹恵 at 14:29 | 相続・贈与・遺言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集

2015年06月24日

6月のお知らせは・・・

今月(6月)の巡回監査にお伺いした時に、
お客様にお知らせしているのは
特例納付の金額です。

7月10日に納付することになる
半年分の源泉所得税と復興特別所得税の金額を
お伝えするようにしています。

もっとも、今月お客様の会社を訪問させていただいたときには、
まだ6月分の給料計算ができていない状態なので、
正確には計算できないこともあります。

とはいえ、7月10日の納付直前になって、
半年分の源泉税額を知らされるよりは、
概算でも前月に目安をつけられた方が安心ですよね。

確認と準備の意味も込めて、
前月のうちに、
お知らせするようにしています。

もちろん、納付額については、正確な数字が確定したら、
再度、お知らせいたします。

会社経営は、スピードと正確さの両方が必要ですよね。


posted by 小出 絹恵 at 13:34 | シルックの一日 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集

2015年06月23日

ご報告 トラブルを避ける遺言書の書き方セミナー〜具体的な事例を紹介します

平成27年6月9日(火曜日) 北沢タウンホール スカイサロン
全国相続協会相続支援センター世田谷相談室
TKC小出絹恵税理士行政書士事務所
講師 小出絹恵

☆トラブルになった遺言書の事例とその対処法をご説明しました☆

@相続税が高くなってしまった遺言書の例

A相続税が払えない相続人が出てしまった遺言書の例

B遺言書が偽物ではないかと裁判になった遺言書の例

C遺言者の意思能力が問題となった遺言書の例

D20年後に発見された遺言書の例

E指定した遺言執行人に遺言執行業務をしてもらえなかった例

F遺留分減殺請求が起きた遺言書の例

G不動産を共有で相続させる旨の遺言により、その後に問題が発生した例

H遺言者よりも先に相続人が亡くなってしまった例

I遺言書に記載のない財産があった例

J複数の遺言書が出てきた例

☆参加された方の声☆

☆説明が大変わかり易く良かったと思います。
かた苦しいのかな?と思いつつ来ましたが参考になりありがとうございました。
何か相談したい事例が起こりました折には宜しくお願いします。

☆二次相続も併せて一次相続をするという話に興味を持ちました。

☆何回かセミナー(相続について)に参加させて頂きありがとうございました。
毎回違った事例をお話していただけるので、大変わかり易く、理解が深まりました。

☆公正証書遺言の事は全く知りませんでしたので勉強してみようと思いました。

☆子供のいない夫婦の場合の例がとても印象深かったです。
ありがとうございました。

☆現金が少ないので、どう相続させるかと悩んでいましたが、具体的なお話を
聞くことができ、大変参考になりました。

☆非常に参考になりました。
次回の講演も楽しみに聞きたいです。



主催:一般社団法人全国相続協会 相続支援センター 世田谷相談室
東京都世田谷区代沢5-36-11-2F
電話:03-5486-9586
FAX:03-5486-9596
http://www.zeirishi-net.gr.jp/
タグ:セミナー
posted by 小出 絹恵 at 10:24 | 相続・贈与・遺言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集

2015年05月26日

遺言書の力ってすごいですね!

先日,ある協同組合主催の「相続・遺言セミナー」に
講師として呼ばれたときのことです。

講演後に、ある女性の方から、
「先生! 遺言書の力ってすごいですね」と
話しかけられました。

その方は、世田谷区にお住まいの方で、
以前に、別なところで、私の講演を聞いてくださっていたのだそうです。

講演で、私の遺言の話を聞いて、
すぐにご夫婦で遺言書を作成されたのだそうです。

そうしたら、何と、その3カ月後に
ご主人が突然のご不幸で・・・

でも、遺言書があったおかげで
相続手続きができたそうです。

もし、遺言書がなかったとしたら・・・

子供のいないお二人の場合、
ご主人の兄弟や姉妹、場合によっては甥や姪に、
ハンコをもらって歩くことになったかもしれません。

夫婦で築き上げた財産を
奥様の名義にするために、
普段、それほど付き合いのないようなご主人の親戚に
頭を下げて、遺産分割協議書に押印いただかなければならないのです。

「遺言書の力ってすごいですね」
という奥様の言葉は、
素直な感想だったと思います。


posted by 小出 絹恵 at 20:14 | 相続・贈与・遺言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集

2015年05月22日

仲間の子育ては皆で応援! 

DSC_0034.JPG
育児休業中の職員と事務所でランチ中です。

子育て経験者がたくさんいるので、
実家の遠い彼女には、何かと心強いのではないか
と勝手に思ったりしています。

たまにでも、お昼を事務所の仲間と一緒に食べることで、
気分転換にもなるし、
職場の仲間との距離も適度に保てて、
結構お勧めではないかと思います。


posted by 小出 絹恵 at 10:14 | こんな事務所です | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする 記事編集
この記事を書いた税理士の小出絹恵です。
税理士 小出絹恵     税理士・行政書士・円満相続遺言支援士
     小出 絹恵

     TEL:03−5486−9686

   幼い頃、往診に来て下さったお医者さま
   女医さんでした)の顔を見ただけで、
   安心して病気が治ったような
   そんな体験が懐かしく思い出されます。
   私は皆様のそういう主治医になれたらと
   願っています。

●申告の際には必ず専門家にご相談ください。